絵本と童話の世界

kintarou
蜩ノ記

蜩ノ記(ひぐらしのき)

第146回 直木賞受賞作品
豊後羽根藩(ぶんごうねはん)の元郡奉行(こおりぶぎょう) 戸田秋谷(しゅうこく)は 前藩主の側室との密通の(かど)で幽閉され
主家の家譜編纂(かふへんさん)と十年後の切腹を命じられる
編纂補助と監視を命ぜられ 秋谷の元に遣わされた壇野(だんの)庄三郎は
非情な運命を抗うことなく受け止める秋谷の潔さに ただただ感動
淡々と仕事を進める秋谷は 無実ではないかと思うようになり・・・

命の終わりが日一日と近づく時 人は何を思いどう行動するのか
ひたむきに生きる姿 家族の強い絆 それぞれの覚悟に胸を打たれ
潔く生きること 生命を慈しむことについて考えさせられる
静かな感動が残る作品です
◆羽根藩シリーズ第2弾「潮鳴り」も お勧めの本です