汝、星のごとく
2023年 本屋大賞受賞作
コンビニもマクドナルドもカラオケボックスも無いけれど 風光明媚な瀬戸内の島
その島の高校で 櫂と暁海は出会った
櫂の父は 櫂が幼い頃に病死 暁海の父は 島を出て母以外の女性と暮らす
自由奔放に振る舞う櫂の母 宗教に洗脳される暁海の母
問題の多い母親との生活 二人は常にストレスに晒されている
高卒後 櫂は作家になるという夢を叶えるべく単身東京へ 成功して富と名声を手に入れる
一方暁海は大学進学を諦め 地元で就職 安月給を遣り繰りしながら 母親の面倒をみる
切なく展開する二人の恋 ヤングケアラー 男尊女卑 村社会の噂の凄まじさ ジェンダー等々
息つく暇も無いほどに 次々に展開される問題を乗り越えて 二人は幸せになれるのだろうか
「女性は 結婚してもしなくても 自分で自分を養える準備をしておくことが大切」
「親 子供 配偶者 恋人 友人 仕事 全て捨てても 全て抱えてもいい」と
この先生 どこか謎めいているが 思慮深さを感じる
広く 深く 果てしない 海のようなそれを渡って 人は生きて行かなければならない
凪良さんの紡ぐ丁寧な描写に 心の底から ゆっくりと 感動が押し寄せてきます